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皆さんこんにちは!
TMA株式会社、更新担当の中西です
さて今回は
~ニーズの多様化~
製品×ソフト×サービス×運用を束ねる“総合設計”へ
かつて産業用機器は「仕様書どおりに、頑丈で、長く動くこと」が価値の中心でした。
いまはそれに加えて、短納期・省人化・エネルギー効率・衛生/規制対応・データ接続・運用支援・環境負荷など、要件が一気に増えています。しかも、半導体・二次電池・食品医薬・物流・データセンター・再エネといった市場ごとの最適が違う。結果として、設計からアフターまでのあらゆる場面で“多様化”が進んでいます。
本稿では、現場で役立つ視点でドライバー→セグメント別ニーズ→設計レバー→提供モデル→運用・KPI→90日アクションを一気に整理します。
目次
需要の波形変化:短サイクルの増設・増産、品種切替の高速化。
人手不足・技能継承:据付・操作・保全の省人化/自動化が前提に。
規制と品質保証の高度化:GMP/HACCP/UL/CE/機能安全/SIL…“証跡があること”が商談条件。
デジタル化:MES/SCADA/クラウドへの接続、サイバーセキュリティ、遠隔保守。
環境・省エネ・LCA:CO₂、水、廃棄物、薬剤、騒音――“環境KPI”が選定基準に。
サプライチェーンの不確実性:代替部品設計、ローカル調達、納期リスクの可視化。
半導体・二次電池
微振動/温湿度/パーティクル管理、トレーサビリティ、クリーン施工、短工期の量産立上げ。
食品・医薬
洗浄容易性(CIP/SIP)、デッドスペース最小、異物混入ゼロ、バリデーション(IQ/OQ/PQ)。
物流・FA
多品種・変動対応のリコンフィグ、AGV/AMRとの連携、保全のリモート化。
データセンター/インフラ
冗長化とホットスワップ、PUE/電力効率、夜間切替で“止めない工事”。
再エネ・環境
腐食・耐候、遠隔監視、系統連系/安全協議、保全アクセスの設計。
汎用産機(成形/加工/プレス等)
省エネ(サーボ化/回生)、段取り短縮、金型/治具のデジタル管理、AI外観検査との親和性。
プラットフォーム化×モジュール化
ベースシャーシ共通、I/O・駆動・安全・洗浄仕様をモジュールで差し替え。
コンフィグ設計
Web/3Dコンフィギュレータで型式×オプション×法規を自動整合、BOM/図面へ直結。
ソフトウェア定義
レシピ/段取り/安全パラメータをファームウェアで切替、現地改造を最小化。
センサー前提のヘルス設計
振動/温度/圧力/電流の埋込センサー+診断アルゴリズムでCBM(状態基準保全)へ。
洗浄・保守の“アクセス設計”
工具レスカバー、ドレン性、排液ルート、保守MTTRの低減を最初から盛り込む。
環境と安全
低騒音、低薬剤、飛散/漏洩対策、**機能安全(PL/SIL)**を構造で担保。
EaaS(Equipment as a Service)/成果連動:稼働率・スループット・消費電力をKPIに課金。
予知保全(PdM):ダッシュボード提供、SaaSで異常検知、部品先出し。
遠隔立上げ/教育:AR支援/デジタルツイン、施工/運転/保全のeラーニング。
補修部品DX:型式・シリアル・図番紐づけ、在庫・納期・互換を即提示。
セキュリティと運用ルール:VPN/ゼロトラ、権限/ログ/パッチまで含めた提案。
デジタルスレッド:受注→設計→製造→据付→運転→保全→更新のID一元管理。
ITP(検査計画)とトレーサビリティ:計測器校正、材料証明、結線/トルク/圧力試験の記録。
ローカル適法性:電気/圧空/圧力容器/食品接触材/騒音など国・自治体ごとの適合。
サプライチェーン冗長:代替部品、2ndソース、設計レンジの明確化(互換と性能影響)。
受注から立上げまでのLT/変更リードタイム
一次合格率(FAT/SAT)/現地手戻り率
OEE/稼働率/MTBF/MTTR/予知保全の的中率
エネルギー原単位/CO₂/LCA指標
法規監査の不適合件数
EaaS継続率・NPS/部品出荷リードタイム
A|食品充填機:洗浄時間−40%
施策:CIP前提の配管再配置、死角ゼロの溶接、レシピ自動洗浄。
成果:段取り短縮+衛生リスク低減、夜勤要員を1名削減。
B|成形機:省エネ+品質安定
施策:サーボ化と回生、金型温調のモデル予測制御。
成果:消費電力−18%、寸法Cpk向上、段替え時間−25%。
C|搬送ライン:変動需要への追随
施策:AGVとモジュラーステーション、HMIコンフィグ、ノーコードレシピ。
成果:新製品切替が日→時へ、OEE+6pt。
“モジュール表”の棚卸し
駆動/安全/洗浄/計測/I/Oを標準モジュール化し、変更箇所を最小化。図番・BOMを更新。
ITP&台帳の一元化
FAT/SATのチェック項目、材料証明、計測ログを案件IDで紐づけ。監査対応を即時化。
EaaS/PdMの試験導入
上位顧客1社で遠隔監視+予知保全+部品先出しをパイロット。KPI(ダウンタイム/消費電力)を合意して検証。
産業用機器の価値は、単体性能だけでなく、現場への馴染み方(据付・洗浄・段取り・保全)とデータでの再現性に移っています。
プラットフォーム化×ソフト定義×運用DXで、顧客ごとの“違い”を設計とサービスで吸収する。これが、多様化時代の勝ち筋です。
まずは、
モジュール表の標準化、
検査と台帳の一元化、
小さなEaaS/PdMの実証。
この三手で、開発も現場も“速く・確かに・続けられる”体制に変わります。多様なニーズは、あなたのプロダクトを次のフェーズへ押し上げる起爆剤です。
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