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第15回産業用機械雑学講座

皆さんこんにちは!

TMA株式会社、更新担当の中西です

 

さて今回は

~3D図面~

 

 

業用機械の組立現場は、重機・生産設備・搬送装置など複雑な構成部品が組み合わさり、高精度かつ効率的な作業が求められます。近年、この業界で急速に注目されているのが「3D図面」の活用です。単なる設計支援ツールにとどまらず、コミュニケーション・品質・教育・効率化のすべてに変革をもたらしています。


1. 3D図面とは何か?業界が注目する理由

■ 三次元データで「形」が直感的に伝わる

従来の2D図面では難しかった立体形状の理解が、3D図面で一目瞭然に。とくに複雑な形状や干渉部分は、現場作業者にとって大きな助けとなります。

■ 部品配置・組立順序の可視化

3Dモデルを使えば、部品の重なりや動作範囲、取り付け手順などがシミュレーションとして視覚化可能。これにより、事前の不具合予防や作業時間の短縮が実現します。


2. 実際の導入効果とメリット

✅ 作業ミスの減少

  • 組立現場での図面読み間違いが減り、誤組立の発生率が大幅に減少

  • 複雑な部品構成でも「見ればわかる」状態により新人の作業精度が向上

✅ 打ち合わせや技術共有がスムーズに

  • 設計部門・現場作業者・外注先との認識のずれが軽減

  • 3Dモデルを共有することで、言葉よりも早く理解が進む

✅ 製造工程の標準化と教育ツール化

  • 組立マニュアルやOJTに3Dデータを使うことで、技能伝承が体系化

  • 動画化やVR連携による研修も実現し、若手の育成が効率化


3. 現場での導入の工夫と課題

■ 既存の2D文化との併用

現場によってはまだ2D図面が基本のところも多く、移行期には両方を使い分ける必要があります。3Dで概要をつかみ、2Dで細部確認というハイブリッド運用が主流です。

■ 操作スキルの差

3D CADやビューアー操作には習熟が必要なため、社内での教育・マニュアル整備が不可欠です。また、タブレットなどの端末配備も求められます。


4. 今後の展望:デジタル製造との連動へ

  • MBD(Model-Based Definition)で3Dモデルそのものに寸法や公差情報を内包し、「図面レス」な世界へ移行

  • IoTやセンサー連動のデジタルツイン構築により、実際の機械挙動をリアルタイムで再現・管理するシステムが普及しつつある

これにより、設計からメンテナンス、改善提案までを1つのデータに統合管理できる時代が始まりつつあります。


おわりに

3D図面は、単なる「見やすさ」だけでなく、製造業のすべての部門に横断的な変化をもたらす技術基盤です。とくに組立業においては、精度と効率、技能と伝承の両立を可能にする“未来の現場言語”とも言える存在です。

 

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