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第12回産業用機械雑学講座

皆さんこんにちは!

TMA株式会社、更新担当の中西です

 

さて今回は

~設計~

ということで、産業用機械設置工事における設計フェーズの考え方と実務のポイントを、5つのステップで深く掘り下げてご紹介します♪

 

工場やプラントの稼働を支える産業用機械。生産ラインにおいて、その設置場所・条件・周囲との関係性は、単に設備の配置にとどまらず、品質・安全・生産効率・省エネ・作業者の快適性すべてに関わってきます。

つまり、産業用機械の設置とは「置くだけ」ではなく、精密に設計された“動く空間”を作ること


🏗 1. 計画設計フェーズ:目的と全体構成を描く

設計の第一歩は、「なぜこの機械を導入するのか」「どこにどんな効果をもたらすか」という目的の明確化です。

✅ 確認すべき項目

  • 生産能力とサイクルタイムの向上

  • 工程の自動化・省人化

  • 既存設備との連携可否(通信・制御系統)

  • 将来的な拡張性・柔軟性の検討

ここでは、機械の仕様書(設置条件・寸法・動作範囲)を入手し、以下の設計要素の全体像を描きます。


📐 2. レイアウト設計:空間をどう使うかを最適化

◯ 機械配置の原則

  • 作業動線の効率化(材料の流れ、人の流れ)

  • メンテナンススペースの確保(点検・修理用)

  • 他機器との干渉回避(扉の開閉・アームの動作範囲)

◯ 搬入・設置性の検討

  • 搬入ルートの障害物(梁、柱、扉幅)

  • クレーンやフォークリフトの可動範囲

  • 一時的な間仕切り撤去や仮設床設置の要否

◯ 清掃性・作業者の快適性

  • 機械の背面や床下の清掃スペース

  • 作業台の高さ、照明条件、排気方向など人との関係性も設計の一部

📌 2D図面だけでなく、3D CADやBIMツールを用いた立体的シミュレーションが有効です。


⚙ 3. インフラ設計:機械を「動かす」条件を整える

◯ 電気設計

  • 電源容量(200V/400V、高圧/低圧)

  • 専用回路の必要性と分電盤の空き状況

  • ノイズ対策、アース(接地)設計、制御信号配線ルート

◯ 空気・油圧・水配管設計

  • コンプレッサー容量とエア圧損

  • 油圧ユニット設置スペースと振動対策

  • 冷却水・温水・排水配管の経路と勾配計算

◯ 排気・換気・空調との連携

  • 熱を持つ装置は周囲の空調負荷に影響

  • 局所排気装置、集塵機との連動設計

  • クリーンルーム対応設備は気流設計と防塵管理が必須


🛑 4. 安全設計と法令遵守

産業用機械の設置では、労働安全衛生法、建築基準法、電気事業法、消防法など、複数の法規制が関係します。

◯ 主な確認項目

  • 安全柵・非常停止ボタン・インターロックの設置

  • 高所・落下物リスクの対策(ステージ設計、墜落防止)

  • 作業エリアの照度・騒音・温度環境

  • 火気使用時の防火・避難経路設計

📌 必要に応じて機械安全指針(ISO12100など)やCEマーキング対応設計も行います。


🔧 5. 保守・運用を見据えた設計

設置後の「使いやすさ」「保守のしやすさ」も設計の重要な要素です。

◯ メンテナンス空間の確保

  • カバー開閉、部品交換、清掃ルート

  • 消耗品のアクセス性(フィルター、油、切削液など)

◯ 保守履歴とデジタル連携

  • QRコードによる図面・マニュアル連携

  • 記録システム(点検記録・異常履歴)の設計段階での整備

  • IoT対応(センサーデータ→PLC→管理システム)への配線・設定設計


✅ 産業用機械の設置設計は“設備の命を吹き込む仕事”

設計とは、単に「図面を描く」作業ではなく、生産性・安全性・操作性・整備性・将来性までを見据えて、空間と設備を“生かす”行為です。

適切な設計がなされていなければ、いくら高性能な機械でも、稼働率は上がらず、生産性も安全性も損なわれます。


🎯 設計で意識すべき5つの柱

分類 主な確認ポイント
計画 目的、工程内の位置づけ、拡張性
レイアウト 動線、干渉、搬入経路
インフラ 電源、空圧、水、排気
安全 法令、緊急時対応、保護機構
保守 点検性、整備空間、記録性

 

 

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